金曜日の晩に無事長女を出産した私は、人生初の入院生活を送りました。水中出産は自然分娩の最たるもので母体に負担がほとんどかからないため、回復が早く、入院生活も3泊4日、月曜日には退院でした。その間の様子についてお伝えしたいと思います。
出産翌日のラジオ番組出演
出産翌日の朝、NHKラジオが助産院を取材、生放送するという大イベントがあり、私にも出演の依頼がありました。そして昼頃、新生児を抱いて診察室でインタビューを受けることになりました。
助産院での出産がどういうものなのか、水中出産についても話が及び、その時の様子などを二言三言お答えしました。笑いありのとても和やかな雰囲気の中、30分程度放送されました。
お世話になった福岡先生は、水中出産がいかに母体に負担をかけないお産かということを強調し、「半日前に初産を経験したとは思えないほど元気でしょう?」と私のことを紹介しました。
赤ちゃんとほぼずっと一緒
基本的に出産直後から新生児と同室、同じベッドで休みます。おむつを換えるのも授乳するのも慣れないながら指導を受けて自分で行いました。
夕食は他のお母さん2人と大広間でいただきました。赤ちゃんはそれぞれのお母さんの近くで寝かされ、お互いに生まれたばかりの赤ちゃんの顔や表情などを話題にしながら会話が弾みました。
沐浴させてもらうときと、おむつを換えるタイミングが遅かったために、娘の背中が広範囲にうんちだらけになってしまった失敗のとき以外は、ずっと私の横に娘がいました。夜中でも泣けば、自分で世話をしましたが、長女はよく寝てくれる子だったので大変だった記憶がありません。
助産婦さんのありがたみ
その2年後に生まれた長男は、夜中やっと寝てくれたと思っても、30分もするとまた泣き始めるといった具合で、そのたびに白湯をあげたり、授乳したり抱っこをしたりでなかなか休めませんでした。
とうとう見かねた当直の助産婦さんが、私から長男を取り上げて別室に連れて行ってくれたおかげで、やっと朝まで眠ることができるのでした。
さて、長女のときの入院中の話に戻ります。産後初めてのシャワーは出産をした浴槽のそばにあるシャワー室で、助産婦さんに心配そうに傍で見守られながら済ませました。貧血など起こさないか、様子をうかがっていたのでしょう。
その後、ゆったりくつろげるお部屋で助産婦さんによる全身マッサージを受けました。1時間ほどゆっくり時間をかけて、お産でこわばった体をほぐしてもらったのです。
幸せな3泊4日
僅かな入院生活の間に家族や友達が入れ替わり立ち替わり、見舞いに来てくれました。面会時間は特に決まっておらず、助産院が開いている時間帯はだいたい問題なかったと思います。
産後3日めの月曜日の朝、沐浴の指導を受け、私の体調も確認していただき、退院の運びとなりました。人生初の入院生活は思った以上に、幸せに満ちたものでした。本当はもっと長く居たかったので、3泊というのが短すぎて残念なくらいでした。
厳しさも垣間見ることがありました
退院の少し前に、ある妊婦さんがお産間近の状態で到着しました。確かお産の勉強会で一緒になったその妊婦さんは19歳、「夫は30〇歳です」と自己紹介をし、1人で参加していました。おさげ髪のまだあどけなさの残る妊婦さんでした。
助産院に着いたときから、私の部屋まで彼女の痛みをこらえる声が聞こえていました。かなり長い時間取り乱すように続きました。
やがて、パニックのように泣き叫んでいる彼女に、福岡先生が
「しっかりしなさい!!お母さんになるあなたがそんなんでどうするの!」
と喝を入れている声が聞こえました。その声で彼女の様子が落ち着いたようでしたが、産声を聞くことなく、私は助産院をあとにしました。
ときに凛とした態度で、妊婦さんをサポートする福岡先生が印象的でした。
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